導入の狙い
指導教官の負担軽減
現在Peachには社員に対する教育として、①新入社員の入社後に行う教育、②一等航空整備士資格の取得後に行う教育、③定期訓練、④委託先の整備士に行う教育の4つがあります。本社がある関西国際空港に所属する自社の整備士に対しては自社内で教育ができるのですが、問題は委託先の整備士に対する教育でした。委託先の整備士は就航地に点在しており、海外にいる整備士もいます。これまでは現地に指導教官を派遣していました。
また、現地で教育できる担当者を教育者として任命し、後日報告してもらうという方法でも教育を実施していました。現地に派遣された指導教官はパワーポイントで作成した資料を集合訓練という形で現地の整備士に指導します。指導後は確認テストを行い理解度を測定するという教育方法を行ってきました。日本の空を飛ぶ以上航空法で実施しなければならない教育が定められているので、手間がかかったとしても厳格に実施しています。当然このような方法だと指導教官のスケジュールを確保しなければならず、自分自身の実務の時間を割かなければなりませんでした。
教育の質を落とさず、指導教官の負担を削減するにはどうしたらよいのか?最善の方法を検討した結果、eラーニングシステムを導入することを決定しました。
(整備部 品質保証課 山崎 正智氏)
今後の展開・期待
スマートデバイスの利用促進と、学習シーンに合った
受講方法の検討
社内にはパワーポイントで作成した訓練資料が豊富にあるため、これらを活用したeラーニングを社内にも広めていきたいと思っています。また、recipe.learningはiPhoneやiPadにも対応しているのでこれらのデバイスを使った受講も推進していきたいと考えています。
一方で、マネジメント教育やリーダーシップ教育にはグループ討議やオリエンテーション、ケーススタディなど、顔を合わせてのディスカッションが欠かせない訓練も存在します。そのような場合は参加者を一箇所に集めないとならないため、リアルな集合型研修とeラーニングを使い分けて運用しています。
クラウド型のeラーニングは地域や時間を問わず利用できるので、海外にいる整備士向けの教育も検討しています。今後海外向けのコンテンツを制作することが多くなるので、一層のご支援をお願いしたいですね。(山﨑氏)
Peachからのメッセージ
航空業界にも低運賃が徐々に浸透しつつありますが、飛行機という乗り物は今まで高価で「非日常」な乗り物でした。そのような環境の中で、Peachは非日常な乗り物であった飛行機を電車のように気軽に使ってもらうことを可能にし、人々の交流を促進し、日本とアジアのかけ橋になりたいと考えています。
Peachが就航して以来、今まで飛行機に乗らなかったような人たちにもPeachを使ってもらっています。既存の大手航空会社の顧客層は7割近くが男性客と言われていますが、Peachの場合女性客の割合が多く、6割近くが女性客という路線もあります。Peachのブランドコンセプトである、Cute & Coolを表現した、「フーシアピンク」というピンクと紫の中間色で施された機体のデザインなども、女性のお客様を中心に支持していただいています。
また、Peachは高い運航品質の維持にも注力しています。2014年度の就航率は98.89%でした。Peachはこれからも高い運航品質を保ち、気軽な空の足として日本とアジアのかけ橋となることを目指します。是非、多くの人たちにPeachの体験を楽しんでいただきたいと思っています。
広報・ブランドマネジメント部 浅見 健介氏)